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中央電力社長コラム

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第8話 技術者集団とはどうして出来るのか?

技術者集団を作ることは本当に難しいことであります。
中央電力の経営の中で一番難しい点であったように思います。
その技術者集団がどうやって出来てきたのかをご紹介します。

マンション事業・保安事業・省エネ事業を行うにあたり、
技術者という専門家集団の存在は不可欠です。
勿論それぞれの事業によって強電や弱電、設置工事やメンテナンス等の
分野は異なりますが、共通して言えることは自身の担当分野において
責任感を持っているかという点です。

その責任感には3つの柱があると思っております。
一つ目は、いかなる時も最後までやり通す責任。
二つ目は、万一自分が欠けても組織的な対応が出来る組織を作る責任。
三つ目は、お客さまのために、いつ・いかなる時も動ける責任。

もちろん、他にも技術力向上・技術管理能力向上・新技法の研究なども
弊社はやっておりますが、上記三つの責任感が無い者は論外です。

この責任感のある集団は、もちろん最初から出来た訳ではありません。

最初の技術者に入社して頂いたのは1993年、私が25歳の時です。
それから3人ほど2年間で入社されましたが全員退社されております。
それはその技術者が悪かったのではないのです。私が技術者を育てる術や気持ち、
伝えなければならない理念、計画作りや今後の体制、また相談や現場で起こった事を
ゆっくり聞くなどの事を一切しておらず、全く分からなかったのです。

ですから雇用しては辞める、といったことがしばらくの間続きました。
そのため、最初の5年は全く分からず多くの技術者を
辞めさせてしまった事実は反省しなければなりません。

そして5年目の保安管理事業を通して技術者とゆっくり話をするようになり、
営業の文化づくりと技術の文化つくりは全く違うことが分かりました。

一つの例をあげると話し方ひとつから捉え方が変わってしまうのです。

営業の場合では、数字を上げるために頑張っていこうと言えば伝わるのですが、技術者は違います。
いつまでに、何を、どの様に、何故する、と全ての理論が整わなければ全く伝わりません。
20代の私は技術者とはなんと理屈っぽいんだといつもイライラしていたのを思い出します。

しかしお客さまからあるクレームを頂きご対応に伺った際、
私は到底実現不可能なご要望に対し、先ずはやってみますと答えました。
そのやり取りを社員の技術者が聞いていて
「社長、どうやって今言われたことをやるのですか? 
やれないことをやると言われる社長はあまりにも経験がなさ過ぎます」
と言われたの思い出します。

当時の私は努力したら出来ることではなく、
物理的に出来ないことを考えると伝えてしまったのです。
色々考えましたが結局、実現出来ませんでした。

その際に技術者が
「営業はあいまいに進める所があるが、技術者はやれるかやれないかしかない。
あいまいというものが無いのが技術の世界で一番大事な事。
特に電気と言うものは努力したら出来る世界ではなく、
如何にして失敗せずにやれるかということと、安全にやることが一番大事なんだ」
と指摘してくれました。

この出来事から、技術の世界のメンバーに対する私の接し方が変化しました。
マンション事業を開始した設立10年目から本格的な技術者が集まり始めました。
大手の発電会社・大手のゼネコン・メンテナンス会社から入ってきて頂き、
現在の16年目の6年間はひとりも技術者が辞めない会社とすることが出来ました。

今考えると、あの全く技術者の気持ちが分からず苦しんでいた最初の5年間には
絶対に戻らない覚悟が、責任感の強い技術者集団が生まれたきっかけになった気がします。

このきっかけを忘れることなく、更に強い技術者集団の形成を行っていく所存です。


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